大家さんの相続で実際に起きやすいトラブル事例
ここでは、実際にとても多く発生している二つのパターンの事例をわかりやすい形でご紹介いたします。
事例①
「アパートは長男が継ぐ」で始まった相続に、弟が納得できなかったケース
あるご家庭で、80 代の父親が亡くなりました。
父親は長年、賃貸アパートを経営しており、
相続財産の中心は
- 賃貸アパート
- 自宅の土地建物
といった不動産でした。
預貯金はそれほど多くありません。
相続人は
母親、長男、次男の 3 人です。
父親が亡くなったあと、家族で相続の話し合いが始まりました。
長男はこれまで父親のアパート経営を手伝っており、
家賃管理や修繕の手配もしてきました。
そのため自然な流れで
「アパートは長男が引き継ぐのがいいのではないか」
という話になりました。
しかし次男は、心の中で少し引っかかるものがありました。
アパートの評価額は数千万円あります。
一方で、預貯金はそれほど残っていません。
もし長男がアパートを相続すれば、
資産の多くを長男が受け取る形になります。
「兄が管理していたのは分かるけど、それで相続まで兄が多くなるのは公平なのだろうか…」
そんな思いが、次男の中に少しずつ積もっていきました。

長男は
「アパート経営は簡単じゃない。
修繕費もかかるし、空室のリスクもある」
と説明しましたが、
次男は
「でも土地もあるし、将来的には資産になる」
と感じていました。
話し合いは何度も行われましたが、
お互いの考え方の違いはなかなか埋まりません。
最終的には長男がアパートを引き継ぐ形でまとまりましたが、
次男の中には
「本当に公平だったのだろうか」
という気持ちが残ってしまいました。
このように、不動産が中心の相続では
「金額」よりも「分け方」
が大きな問題になることがあります。
こういったケースは本当によく起こります。
小さな違和感の蓄積が積もり積もって相続が発生したときに表面化するパターンと言えます。
生前に、父親の意向をきちんとした遺言として残しておくことでもめ事を回避できることがあります。また、役割は役割、分割は分割という考え方を共通認識にして、事前に兄妹で話し合いができていればが納得のいく相続にできたのではないかと思います。
事例②
「共有にすれば平等」という判断が、後に大きな問題になったケース
父親が亡くなったあと、相続財産として残ったのは
賃貸アパート 1 棟でした。
相続人は兄と妹の 2 人です。
最初の話し合いでは
「売却するのは父がかわいそうだ」
「アパートは残したい」
という意見で一致しました。
しかし、どちらが相続するかで意見がまとまりません。
そこで
「半分ずつ共有名義にしよう」
という結論になりました。
一見すると平等な解決です。
しかし数年後、問題が起きました。
アパートの外壁や屋根の修繕が必要になり、
数百万円の費用がかかることが分かりました。

兄は
「建物を長く使うためには修繕が必要だ」
と考えました。
しかし妹は
「そんなにお金をかける必要があるの?」
と感じました。
さらに兄は
「将来的に建て替えも考えるべき」
と言い始めましたが、
妹は
「そこまで投資するつもりはない」
という考えでした。
共有不動産の場合、
- 修繕
- 建て替え
- 売却
などの重要な判断は、共有者の合意が必要になります。
そのため意見が合わないと、
何も決められなくなってしまうのです。
このケースでも、
アパートの管理方針を巡って家族関係がぎくしゃくしてしまいました。
分割協議をしているときは仲の良い兄妹だったとしても、お互いの状況が変わり優先順位が変わってしまえば意見がすれ違ってしまう事はよくあります。
1 次相続では仲良く分割協議ができても、2 次相続の時に、1 次相続では納得していたはずが徐々に不満が蓄積されて紛争問題に発展してしまう事は本当によくあります。不動産を共有名義にすることはできれば避けておきたい分割方法です。
数字上の平等という考え方ではなく、役割や担う業務に対して平等に分割することをお勧めします。
どうやって分割していけば納得解を出すのか知りたい方は個人面談をご利用ください。
あなたとご家族の状況に合わせた分割案が必ずあります。



