~「うちは仲がいいからもめないよ。」がもめてしまった…~
<!– メタディスクリプション:とても仲の良かった兄妹が実家の相続をめぐり二度と連絡を取らない関係に・・。相続トラブルは他人事ではありません。実家をどう分けるか、兄弟の話し合いで揉めないための事前対策を専門家が解説します。 –> <!– ターゲットKW:相続 実家 どう分ける/相続 兄弟 話し合い/相続 兄弟 揉める/相続 トラブル 実家 –>
「うちの家族は仲がいいから、相続でもめることはないよ。」
相続の相談を受けていると、こういうお言葉をよく耳にします。
でも、正直に言わせてください。
もめる家族は、最初から仲が悪かったわけじゃないんです。
むしろ、「仲がよかったから」こそ、準備を怠ってしまい、結果として取り返しのつかない状況になってしまうケースが多い。
今回は、相続の現場でよく見られるトラブルのパターンをもとに作成したフィクションのストーリーをご紹介します。登場人物・家族構成はすべて架空のものですが、同様のご相談は実際に非常に多く寄せられています。
あなたのご家族には、こんなことが起きそうではありませんか?
登場人物の紹介
- 父(享年72歳):10年前に他界。一次相続は「全財産を母へ」と全員が合意し、円満に終了。
- 母(享年78歳):昨年他界。二次相続が発生。
- 長男・健一さん(52歳):実家近くに在住。母の介護を主に担当。「実家は自分が守る」という意識が強い。
- 長女・美香さん(48歳):結婚を機に関東圏へ。夫と子ども2人。実家には年に数回帰省。
一次相続のとき、家族は本当に仲よかった
10年前、父が72歳で急逝したとき、家族は悲しみの中でも冷静でした。
母はまだ元気で、「お父さんの財産はお母さんに全部渡せばいい」と、健一さんも美香さんも異論なく合意。相続手続きはスムーズに終わり、家族の絆はむしろ深まったような気がしていたそうです。
美香さんはこう振り返ります。
「あのときは本当にスムーズだった。だから今回もきっと大丈夫だって、根拠もなく思ってたんですよね。」
二次相続で初めて「実家の問題」が浮上した
母が他界し、いよいよ二次相続の手続きへ。
残された財産は主に次の2つでした。
| 財産の種類 | 内容 | 評価額(概算) |
| 実家(土地・建物) | 築35年・地方都市の郊外 | 約2,500万円 |
| 預貯金 | 普通預金・定期預金 | 約800万円 |
合計:約3,300万円。法定相続分は各1,650万円ずつ。
預貯金の800万円を半分ずつ(各400万円)分けるのは問題ない。でも、残りの不足分(各1,250万円)をどう埋めるか——ここで初めて「実家をどうするか」という問題が、兄妹の間に立ちはだかりました。
健一さんの主張:「実家は俺が買い取る」
健一さんは最初から実家を手放すつもりはありませんでした。
「母の介護をずっと俺がやってきた。母もここに住み続けたかった。実家は俺が守りたい。」
そして、こう提案しました。
「俺が実家を買い取るから、美香には預金から多めに払う。実家の評価は2,000万円にして、俺の取り分と相殺しよう。」
一見、話し合いの余地がありそうな提案です。
でも、美香さんには引っかかるものがありました。
美香さんの疑問:「なんで2,000万円なの?」
不動産の素人である美香さんでも、「市場で売れる金額と、お兄ちゃんが言う2,000万円は違うんじゃないか?」という感覚がありました。
夫に相談すると、「一度、ちゃんと査定してもらった方がいいんじゃないか」と言われ、美香さんは独自に不動産会社に相談。
査定の結果は——約2,500万円。
健一さんが提示した2,000万円より500万円も高い評価でした。
美香さんは健一さんに「査定では2,500万円だった」と伝えます。
「え、そんなはずない。築35年だぞ。その不動産屋が高く言ってるだけだ。」
健一さんは感情的に否定しました。
すれ違いが「不信感」に変わった瞬間
その後、話し合いは何度も行われましたが、どんどん感情的になっていきました。
健一さん:「俺が10年間、母の介護をしてきた。その貢献は無視か!」
美香さん:「介護の話は別でしょ。遺産は公平に分けるべきでしょ!」
健一さん:「お前は嫁に行って、たまに帰ってくるだけで何もしてないじゃないか!」
美香さん:「なんでそういう言い方をするの。私だって仕事しながら子育てして…!」
この時点で、二人の争点は「財産」ではなく「感情」に変わっていました。
長年溜め込んでいた「介護への不満」「疎遠への罪悪感」「感謝されない苦しさ」——そういったものが、相続という場で一気に噴出したのです。
最終的に美香さんは弁護士に相談し、調停へ。
手続きは1年以上かかり、弁護士費用も両者合わせて数十万円に上りました。
そして何より——兄妹はそれ以来、一度も連絡を取り合っていません。
なぜ、仲のよい家族でもこうなってしまうのか
このストーリーはフィクションですが、同じような構図の相談が後を絶ちません。「対策のなさ」が家族の仲を試す場を作ってしまう——これが相続トラブルの本質です。
今回のケースで問題になったポイントを整理します。
そして、それぞれに共通して言えることがあります。客観的な第三者が関与することで、事実の正確な把握、冷静なコミュニケーション、建設的な意見交換が可能になるということです。感情が絡む家族間の話し合いだからこそ、専門家という「中立な存在」が大きな意味を持ちます。
① 不動産の評価方法を知らなかった。
実家がいくらで売れるか?評価額がどうやって出てくるのか?誰も正確に知らないまま話し合いが始まりました。「お互いの感覚」で話すから、ずれが生じます。
実は、不動産の査定方法には大きく4種類あり、どの方法・どの業者に依頼するかによって金額が変わります。各自がバラバラに査定を取れば、当然ながら金額は一致しません。健一さんと美香さんの対立も、まさにここが火種でした。事前に第三者を交えて「共通の評価額」を把握しておくことが、トラブル防止の第一歩です。
では、4種類の査定方法とはどういうものか、簡単に整理しておきましょう。
1. 市場価格(売り出し価格と成約価格)
不動産会社が査定する、実際に市場で売買される価格です。「売り出し価格」は売主が希望する価格、「成約価格」は実際に売れた価格で、この2つには差があります。また、販売対象を一般の購入者とするか?それとも、買取業者さんにするか?等、時間をかけて現金に換価するか?急いで売却するか?そういった事情なども要素も市場価格には大きな影響を及ぼします。相続では一般的にこの市場価格をベースに話し合いが行われますが、査定する不動産会社によって金額にばらつきが出るため、複数社への依頼と客観的な第三者による調整が重要です。
2. 路線価
国税庁が毎年公表する、道路に面した土地1平方メートルあたりの価格です。相続税の計算に使われる基準で、一般的に市場価格の80%程度とされています。「路線価で計算したら安くなった」という話が出ると、受け取る側は当然納得しません。
3. 固定資産税評価額
市区町村が固定資産税を計算するために定める評価額で、市場価格の70%程度が目安です。毎年届く固定資産税の通知書に記載されています。これを相続の分割基準にしてしまうと、受け取る側に大きな不満が残ります。
4. 不動産鑑定士による鑑定評価額
国家資格を持つ不動産鑑定士が、法律に基づいて算出する最も公式な評価額です。費用は数十万円かかりますが、法的にも信頼性が高く、相続人間で意見が割れた場合や調停・裁判になった場合には、この鑑定評価が基準となります。
この4種類の中で、どれを基準にするかによって、相続人が受け取る金額は大きく変わります。「どの査定方法を使うか」を事前に家族で合意しておくこと、そして第三者を交えて客観的な評価を取ること——これが、実家の相続トラブルを防ぐ最初の一歩です。
② 介護の貢献(寄与分)が明文化されていなかった
健一さんが10年間介護してきた事実は大きい。でも、それが法的にどこまで認められるか、事前に整理されていませんでした。感情論になるのは当然です。
ここで知っておいていただきたい現実があります。**法的に認められる寄与分は、実際の貢献度より低く評価される傾向があります。**介護に費やした時間や労力が、そのまま金額に反映されるわけではないのです。現場では「寄与したもの負け」という言葉が使われるほど、介護した側が報われにくい構造になっています。
だからこそ、親が元気なうちに、相続人の間で貢献度を具体的な金額として合意しておくことが重要です。後から主張しても感情論にしかなりませんが、事前に整理されていれば冷静に話し合えます。
③ 母の「本当の意思」が誰にも伝わっていなかった
「実家はお兄ちゃんに継いでほしい」と思っていたとしても、遺言書がなければその意思は法律的に反映されません。
「遺言を残さない」という習慣は、争いごとや意見の対立を嫌う日本人の国民性が招いてしまった、残念な慣習と言えます。しかし今や、遺言はすべての人が書くべきものです。
遺言は、争いをなくすための法的手段であるだけではありません。**残された家族への思いを伝える、最後の手紙でもあります。**遺産分割に直結する重要な法的効力を持つからこそ、ぜひ書いておいていただきたいと思います。
そして遺言と合わせてぜひ活用していただきたいのが、**「付言事項」**です。法的な強制力はありませんが、故人の気持ちや家族へのメッセージを自由に綴ることができます。「なぜこのような分け方にしたのか」「みんなへの感謝の言葉」——そういった言葉が、残された家族の心を和らげ、争いの芽を摘むことも少なくありません。遺言を書く際は、ぜひ付言事項も大切にしてください。

今、あなたのご両親は元気ですか?
この記事を読んでいるあなたのご両親が、まだ元気でいらっしゃるなら——
今が、唯一の「対策できるタイミング」です。
「うちは仲がいいから大丈夫」は、残念ながら対策の理由にはなりません。仲がよいからこそ、いざという時に感情的になりやすい。仲がよいからこそ、準備していないことが多い。
健一さんも美香さんも、最初は本当に仲がよかった。
でも今は、お互いの連絡先すら削除しているそうです。
無料相談のご案内
このストーリーはフィクションですが、「うちも似たような状況かも…」と感じた方はいらっしゃいませんか?
健一さんと美香さんのようにならないために、今できる対策は必ずあります。
「具体的にどんな対策をすればいいのか知りたい」「うちの場合はどうなるか整理したい」という方は、ぜひ無料相談をご活用ください。
相続のトラブルのほとんどは、事前の対策で防ぐことができます。
まずは現状を整理するだけでも、大きな安心につながります。
初回のご相談は完全無料です。どうぞお気軽にご連絡ください。

著者プロフィール
相続コンサルタント 宮川 剛
東京都昭島市出身。1976年9月生まれ。
2003年、27歳で不動産管理会社へ就職。売買仲介専門会社・総合不動産会社など様々な企業で不動産実務に従事。2011年、東日本大震災を機に独立し、宅地建物取引業免許を取得して不動産業で開業。
2012年、祖母の相続発生をきっかけに親族が相続トラブルの当事者に。自らその問題に携わる中で相続の難しさと大切さを痛感し、クライアントからの相続相談にも自然と応じるようになる。
2026年、相続コンサルティング事業を本格始動。
不動産の現場で20年以上培った実務経験と、自身の家族が経験した相続トラブルの当事者経験——
その両方を持つ相続コンサルタントとして、「争族にしない相続」をサポートしています。
保有資格: 宅地建物取引士/管理業務主任者/相続診断士/2級FP技能士




