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相続財産 × 守り方

2026 6/29
ブログ 事前対策 財産管理
2026-06-29

相続財産の守り方——
「2代で失う家」と「100年続く家」
その決定的な違いとは?

相続の本質 × 財産観 × 家系の繁栄

相続財産の守り方——2代で失う家と
100年続く家、その決定的な違い

2026年6月29日 |
私はこれまで、多くの大家さんや事業家の方の相続をサポートしてきました。その経験の中で、ある「法則」に気づきました。

財産を守り続ける家と、2〜3代で失ってしまう家には、決定的な「考え方の違い」がある。

それは能力でも運でも、財産の規模でもありません。たった一つの「財産観」の違いです。

相続財産の守り方は「財産観」で決まる

突然ですが、あなたはご両親の財産をどう捉えていますか?

衰退する家の財産観
個人
「親が稼いだ、親の財産」
相続したら自分のもの
繁栄する家の財産観
家系
「家系から預かった財産」
次世代へ引き継ぐもの

この二つの財産観は、一見すると些細な「考え方の違い」のように見えます。しかし、20年以上にわたる現場経験から言えることは、この違いが、その後の家族の行方を決定的に分けるということです。

統計が示す、相続財産が2代で失われる現実

「財産は3代で失う」という言葉を聞いたことがありますか?これは格言ではなく、実態を表した言葉です。

中小企業庁のデータによると、日本の同族企業の平均寿命は約25〜30年とされており、創業者から3代目に引き継がれる頃には、多くの企業・資産が大幅に縮小または消滅しているとされています。

不動産においても同様です。祖父が築いた賃貸物件が、父の代で相続税によって一部売却され、孫の代では残った物件も相続トラブルで散り散りになる——このようなケースを、私は数え切れないほど見てきました。

なぜ「2〜3代で失う」のか?
・相続のたびに「分割」が発生し、資産が細分化される
・相続税の納税で、物件を売却せざるを得なくなる
・兄弟間のトラブルで、資産が法的に分断される
・後継者が「管理」ではなく「消費」してしまう

これらはすべて、「財産を個人のもの」と捉えた瞬間に始まる連鎖です。

相続財産を「個人のもの」と考えると何が起きるか

財産を「個人のもの」と捉えると、相続の場面で何が起きるか。実際によくある場面をご紹介します。

よくある場面

父が亡くなり、母と3人の子供で遺産分割の話し合いが始まった。長男は「実家と収益物件を引き継ぎたい」と主張。次男は「現金で公平に分けてほしい」と反論。長女は「私も法定相続分をもらう権利がある」と言い出した。

「これは親の財産。自分の取り分をきちんともらうのは当然の権利だ」

この言葉が飛び交った瞬間、話し合いは感情的な対立へと変わっていきました。結果として、収益物件は売却されて現金で分割。祖父の代から受け継いできた不動産は、この相続で全て失われました。

誰も悪意はありません。ただ、全員が「これは親個人の財産だ」という共通認識を持っていた。それだけで、代々の資産が一度の相続で消えてしまったのです。

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相続財産を「家系のもの」と考えると何が変わるか

では逆に、財産を「家系から預かったもの」と捉えている家族は、どう違うのでしょうか。

私がサポートしてきた中で、財産を長期にわたって守り続けている家族には、共通した行動パターンがあります。

① 相続の話し合いへの向き合い方
個人の財産と考える家族
「自分の取り分」を主張する場になる。感情的な対立が起きやすい。
家系の財産と考える家族
「どう守り、次世代に渡すか」を話し合う場になる。建設的な議論ができる。
② 不動産の売却判断
個人の財産と考える家族
相続税の納税や現金分割のために、すぐ売却を選択してしまう。
家系の財産と考える家族
事前対策で納税資金を準備し、物件を手放さない選択肢を持てる。
③ 後継者への引き継ぎ
個人の財産と考える家族
「誰がもらうか」の議論になり、後継者が決まらないまま管理が空白になる。
家系の財産と考える家族
「誰が守るか」の議論になり、後継者が責任を持って引き継ぐ体制ができる。
④ 遺言書・事前対策への姿勢
個人の財産と考える家族
「まだ先の話」と先送りにしがち。対策なしで相続発生を迎えることが多い。
家系の財産と考える家族
「次世代への責任」として捉え、遺言・法人化・生前対策を積極的に進める。

この違いは、財産の規模や収益性とは無関係です。財産をどう「定義」するかが、行動を変え、結果を変えるのです。

相続財産を100年守り続ける家族の財産観

日本には、100年以上続く老舗企業が世界最多水準で存在すると言われています。その多くに共通しているのが、「のれん」という概念です。

のれんとは、先代が築いた信用・技術・顧客関係といった無形の資産のことです。老舗の経営者は、これを「自分のもの」とは考えません。「先代から預かり、次代へ渡すもの」として捉えています。

大家さんの不動産も同じです。祖父が汗をかいて建てた賃貸物件は、単なる「現金に換えられる資産」ではありません。それは地域に住まいを提供してきた歴史であり、家族が積み上げてきた信頼の証です。

財産観を変えると、見える景色が変わる
「親の財産をどう分けるか」
     ↓
「家系の財産をどう守り、次世代に渡すか」

この問いの転換が、相続対策の出発点です。
実話の紹介

担当した大家さんと雑談をしていた時、「この物件は爺さんが、俺たち兄弟の為に建ててくれたんだよ。だから、簡単に売りたくないんだよね。」と言われました。私は、その話を聞いた時「この話はきちんと子供たちへ伝わっていますか?」と質問しました。

そして、後日その大家さんと会ったときに、「あの後、息子たちにきちんと話しておいたよ。」と言ってくれたのです。

相続財産を「事業」と捉えると、さらに景色が変わる

「家系の財産」という意識を持てたとき、もう一段深い問いが生まれます。

引き継いだものを、どう定義するか
「財産」と捉える
→ 守るもの・分けるもの 「事業」と捉える
→ 育てるもの・発展させるもの

祖父が建てた賃貸物件を「財産」と捉えれば、それは「守らなければならない資産」です。しかし「事業」と捉えれば、それは「次世代がさらに発展させるべきビジネス」になります。

この定義の違いは、後継者の行動を根本から変えます。>「財産を守る人」は現状維持を目指します。「事業を継ぐ人」は、改善・拡大・効率化を考えます。

実際に私がサポートしてきた中で、相続後も賃貸経営を成長させた子供世代に共通していたのは、親の不動産を「財産」ではなく「自分が経営する事業」として引き継いでいたという点でした。空室対策・リノベーション・法人化——こうした前向きな行動は、「事業を経営している」という意識からしか生まれません。

財産観のステージ
個人の財産
→ 分けるもの(衰退) 家系の財産
→ 守るもの(維持) 家系の事業
→ 育てるもの(繁栄)

「財産をどう守るか」から「事業をどう発展させるか」へ——この意識の転換が、2代・3代と繁栄し続ける家族の本質です。

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相続財産を守るために、今すぐできること

「家系の財産」という考え方に共感していただけたなら、次は具体的な行動です。財産観を変えるだけでは、現実の相続は変わりません。意識の変化を、対策として形にする必要があります。

1
家族で「財産の定義」を共有する

「この財産は誰のものか」を家族全員で話し合う機会を作りましょう。親世代が「家系の財産」という意識を持っていても、子供世代に伝わっていなければ意味がありません。家族会議の場で、財産の歴史と想いを共有することが出発点です。

2
遺言書に「想い」を残す

遺言書は財産の分け方を決めるだけのものではありません。「なぜこの物件を守ってほしいのか」「家族にどう引き継いでほしいのか」という想いを付言事項として残すことで、財産観を次世代に伝えることができます。

3
相続対策を「家族プロジェクト」として進める

法人化・生前贈与・遺言書作成——これらの対策は、一人の専門家に任せて終わりにするのではなく、家族全員が理解した上で進めることが重要です。全員が同じゴールに向かって動くとき、財産は守られていきます。

🏡
財産は、
家族の歴史そのものです。
祖父が一生をかけて築いた不動産、父が守り続けた賃貸経営——それはただの「資産」ではなく、家族が積み上げてきた時間と汗の結晶です。その財産を次世代へ渡すことは、お金を渡すことではなく、家族の歴史をつなぐことです。

よくある質問

Q
財産観を変えたいが、兄弟間で意識の差がある場合はどうすればいいですか?
A
よくあるケースです。意識の差がある場合こそ、第三者の専門家を交えた家族会議が有効です。感情論になりがちな家族だけの話し合いと違い、専門家が「事実」と「選択肢」を整理することで、全員が冷静に考えられる場が作れます。
Q
親がすでに高齢で、財産観を変える時間がないかもしれません。
A
親の財産観を変える必要はありません。子供世代であるあなたが「家系の財産」という意識を持つことが先決です。その上で、親に遺言書の作成や家族会議を提案することが、現実的な第一歩になります。
Q
財産が少ない場合でも、「家系の財産」という考え方は必要ですか?
A
財産の規模は関係ありません。むしろ財産が少ないからこそ、一度の相続で失うリスクが高いとも言えます。「家系の財産」という意識は、財産を守るための行動を生み出す考え方です。金額の大小にかかわらず、大切な考え方です。
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財産観を変えるだけでは、現実は変わりません。意識の変化を、具体的な対策として形にすることが大切です。まず遺言書・家族会議・法人化など、どこから手をつければいいかわからない方は、まず無料相談でご状況をお聞かせください。あなたの家族の状況に合わせた相続財産の正しい守り方をご提案します。

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この記事を書いた人

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相続コンサルタント
宮川 剛
東京都昭島市出身、1976年9月生まれ。
2003年 不動産管理会社へ入社後、売買仲介・総合不動産など複数の企業で実務を積む。
2011年 東日本大震災を機に独立し宅地建物取引業免許を取得して開業。2012年 祖母の相続発生により親族が相続トラブルの当事者に。自ら問題解決に携わる中で相続の難しさと大切さを痛感し、クライアントからの相続相談にも自然と応じるようになる。
2026年 相続コンサルティング事業を本格始動。

不動産現場での20年以上の実務経験と、自身の家族が経験した相続トラブルの当事者経験——
その両方を持つ相続コンサルタントとして、「争族にしない相続」をサポートしています。

宅地建物取引士
管理業務主任者
相続診断士
2級FP技能士

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宮川 剛
TYM 株式会社 相続コンサルタント
【相続は事前に対策すればうまくいく】
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